【画寸】 29.5×38cm
【額寸】 59×66.5cm
【技法】 シルクスクリーン
【版数】 37版37色37度刷
【用紙】 鳥の子和紙
【限定制作】 300部
【額縁】 特製木製額
【著作権承認】 フジタ財団、フランス美術著作権協会、日本美術著作権協会
【証明】 フランス美術著作権協会(ADAGP)承認エンボス
【原画制作年】 1953年(個人蔵)
■略歴
1910年 東京美術学校西洋画科本科を卒業
1912年 第2回東京勧業博覧会に「午後の日」「宿裏」を出品。
光風会第1回絵画展覧会に「清水湾」「帝国劇場」「南国」が入選
1917年 パリのシェロン画廊で初の個展を開く。その後、ブリュッセル、アントワープ、ベルリンなどヨーロッパ各国で個展を開催
乳白色の平滑な絵肌に面相筆による線描を生かした独特の画風を編み出す。
1919年 初めてサロン・ドートンヌに出品。出品した6点が全部入選して、その年に会員に推挙され、パリ画壇における地位の確立に第一歩を踏み出した。
1925年 レジオン・ド・ヌール五等勲章を贈られる
1943年 朝日文化賞受賞
1955年 フランス国籍を取得。日本芸術院会員を辞任
1957年 レジオン・ドヌール四等勲章を贈られる
1968年 1月29日、スイス、チューリッヒの病院で死去(81歳)
日本政府より勲一等瑞宝章を追贈される
■本作『猫と二人の少女』は1953年に描かれた作品。
藤田特有のタッチで描かれた二人の少女と二匹の猫。背景にの街並みや少女たちのドレスはどこかクラシカルで、古き良きパリの姿を彷彿させます。
ノスタルジックなセピア色の色調もあいまって、本作からは〝次第に遠くなるエコール・ド・パリへの愛惜“を感じることができます。
藤田嗣治の「線」は、極細で流れるように繊細。地色は淡く柔らか。対象を描くタッチは限りなくしなやか。しかしキャンバス全体は、西洋の古典絵画に見られる厚みと濃厚な味わいに満ちています。この描き方こそ、絵具を塗り重ねる西洋の画家には真似のできないフジタ風。
本作はそうした藤田芸術の真髄を余すところなく再現した魅力あふれるシルクスクリーン版画です。猫の柔らかな毛並みにいたるまで、熟達の職人たちの丁寧な手仕事が隅々まで施され、極めて完成度の高い作品に仕上がりました。
正統な手続きのもと制作された証として、画面右下余白部分にはフランス著作権協会(ADAGP)のエンボスが押され、裏にはクレジットが刷り入れられた貴重な限定版美術作品です。